保育園に入りたい!

海外帰り・無職から引越し・出産を経て、年度途中に2人の子供を保育園に入れた保活ノンフィクション

初めての保育園 - 驚いたこと

今回は、初めて『保育園』という枠組み・制度・施設に触れて、驚いたことをまとめたい。
 
前回書いたように、私の『保育園デビュー』は、里帰り出産に伴う上の子どもの一時保育である。そのため、通常の預かり保育とは異なる部分や、園特有の部分もかなりある。が、今年5月からの半年で、0歳と2歳の娘を3つの保育園に4回転入園させた経験から、比較的どの保育園でもあてはまることをまとめてみた。
 
なお、一時保育で利用した保育園は福岡県北九州市の0歳から6歳児までが通う、定員100名超の園であった。2階建ての園舎に屋上、広い園庭、と都内の保育園事情を考えると設備や広さは充実している。
 

 驚いたこと① 面接

認可保育園の一時保育を利用したため、申込みは市役所で行った。申し込み要件や必要なものを事前に電話で数回確認していたため、窓口での手続きは比較的スムーズ。希望する園の一時保育枠の空きも確認でき、園での面接が済み次第、週3回までの通園が可能になるとのこと。
 
『面接』って就職や受験でもあるまいし…と思いつつ、お世話になる先生との顔合わせかな、と気楽に考え、保育園に直接連絡してスケジュールを調整。2歳の娘には、「保育園に行けば、お友達と一緒に遊べるよ~!」と、テンションを上げながら向かう。
 
保育園につくと、親子で職員室に通される。窓の外には園庭を走り回ったり、おもちゃで遊ぶ子供達、娘の視線はそちらに釘づけ。
 
実際にクラスを受け持つ担任の先生ではなく、『主任(園長代行とのこと)』の先生との面接が始まる。私からは、娘が香港生まれで初めて本     帰国したばかりであること、引越しが続いていること(2か月で香港→東京→東京→福岡、と3回)、これまでベビーシッターさんにお世話になっており親と日中離れて過ごす経験はあるが、保育園のような集団生活は初めてなことなど、出産に伴う一時保育であること等、簡単に背景を説明。
 
娘はおもちゃを与えられ、横で一人遊びをするように促されていたが、部屋の外で遊びまわる子供達が気になるようで、外に出ようとする。また、職員室で事務作業をされている他の先生方にも話しかけたりしていた。
 
5分ほど話したところで、主任の先生から『娘さん、落ち着きがないようですが、普段の生活は大丈夫ですか?』と聞かれる。大丈夫とは・・?と戸惑いつつも、元来活発でよく動くこと、特に今日は私が保育園に行けばお友達と遊べる、と話して来てしまったため、遊びたがっている、ということを伝えると、『2か月程度で東京に戻られるということなので、こちらで通院するということはないかもしれませんが、必要であれば、(発達障害の)お医者さんを紹介することもできますので。』との回答。返答につまっていると、その後は、一時保育の上限や、予約の仕方などを伝えられ、面接は10分ほどで終了した。実際にお世話になる一時保育の担任の先生に挨拶し、他のこどもに交じりたがる娘をなだめつつ、帰路についた。
 
確かに娘は2歳4か月(当時)にしてはよく動き話す方で、追いかけまわすのが大変であった。また、私も2歳半頃までは、あまり厳しくしつけず、自由にさせていた。しかし、5分程横目に見た初対面の先生から、医者に診てもらう必要がある、と言われる程のことなのだろうか、、、と一気に不安になった。
 
面接の趣旨は、保育園と保護者が、お互い状況を話しつつ、園がこどもが馴染めそうか判断する、ということである。その当日に保育園での生活を体験するわけではない。その意味で、『お友達と遊べるよ』、と促して園に向かったのはまずかったな、と反省した。
 
一方、主任の先生のことばに面接直後はかなり動揺したが、発達障害の診断は通常3歳以上から、という情報を得て、とりあえずは放っておくことにした。現在(2歳10か月)の娘に発達障害があるかないか、それは断定は出来ない。が、娘は相変わらず活発なものの、大分落ち着いて来ており、一時保育で実際に見て頂いた先生やその後経験した2つの園で、障害の可能性がある、という指摘を受けたことはない。
 
娘が発達障害かもしれない、ということよりも、初対面でそのような判断をし、それをそのまま保護者に伝える先生がいる、ということに動揺したが、保育園には様々な先生がいるのだ、ということを知り、その先生方の指摘を基本的には素直に聞きつつも、親として判断をし、流すべきことは流す、という土台を作る良いきっかけとなった。 
 

驚いたこと② 隔離された一時保育

てっきり通常の保育園に通う子供達に交じって保育園に通うのかと思っていたが、その園では、一時保育には専任の先生1名がつき、一時保育の子供だけの部屋で過ごし、外遊びなども、一時保育のこども単位で行う、というスタイルをとっていた。
 
一時保育は一日6名程度までで年齢制限はない。そのため、赤ちゃんから6歳児までが一緒に過ごす可能性がある。といっても、3歳児以上は幼稚園に通っている子供が多いので、2歳の娘は比較的大きい方であった。2歳児と赤ちゃんを一人の先生が一緒に見るって大丈夫かな?と思ったが、ベテランの担任先生が見て頂き、0歳児等赤ちゃんが多い際は、通常の2歳児クラスに一部混ぜて頂いたりと、臨機応変に対応していただいた。娘も保育園には行きたくない時期があっても、その先生のことは大好きであり、それがモチベーションとなっていた。
 

驚いたこと③ 慣らし保育

通常、保育園に新たに通い出したり、転園するときは、最初から夕方まで預けるのではなく、徐々に時間を長くしていく慣らし保育からのスタートとなる。これは、一時保育でも同様である。最初は1時間、大丈夫そうであれば2回目から2時間(お昼の前)、5時間(お昼を食べてお昼寝まで)、、、とこどもが慣れるかどうか様子を見ながら利用時間を徐々に伸ばしていく。
 
私は週2回からスタートしたため、最初の週は月曜に10時まで、水曜に11時まで、翌週月曜と水曜に15時まで、その次の週に初めて16時まで、3週目にして初めて夕方まで預かっていただける体制となった。(一時保育の最長預かり時間は17時まで(延長不可)であったが、主任の先生からは、出来るだけ16時には迎えに来てほしい、との要望。)出産入院中は母に送り迎えを託していたが、仕事をしているため、その間はなるべく長く預かってもらう必要がある。予定日の3週間ほど前から通いだしだが、いつ出産になるか分からず、入院のタイミングで慣らしが終わっているか、やきもきした。
 
ちなみに娘は、最初の1週間は元気に通っていたが、2週目頃から、朝の登園を嫌がるようになった。教室の入り口で泣かれ、仕事があるわけではない私は、生まれるまでは見れるのだし連れて帰ろうか、と心が折れそうにもなったが、担任の先生に託して去ると、10分ほどで元気になり、その後はお迎えまで楽しく遊んでいる、ということであった。
 

驚いたこと④ 荷物の量と名前書き

保育園の持ち物の多さはなんとなく聞いたことがあったが、毎日通う通常保育ではなく一時保育であるため、園に置いておく荷物の個人ロッカーはなく、日々の荷物は輪をかけて多かった。お昼寝のタオル、おねしょパッド、おむつ5枚程度、おしりふき、着替え2組、パジャマ1組、ぼうし、食事エプロン、口拭きタオル3枚、手拭きタオル1枚。これらを毎日持って行って持ち帰ることになる。
 
なお、通常の保育園では、基本的には消耗品であるおむつ・ミルク、洗濯が必要な着替え1組み、(園によってはスプーン等の食器)、週末にタオルや帽子などを持ち帰る、という形式が一般的である。
 
服からオムツに至るまで、基本的にはすべての持ち物に名前書きが必要である。シールなどは用意せずすべて油性マジックで書く、という簡単な方法をとったが、面接から保育園が始まるまでの数日間、お店を回ったりネットで必要なものを買い集めて名前を書く、という作業にかなりの時間を費やした。初回が特に大変だが、その後も園が変わるたびに少しずつ持ち物が変わり、そのたびに買い足したり、名前を書き足したり、季節が変わって服装が変われば名前を書いたり、と荷物管理と名前付けにかなりを費やすことになる。
 
以上、初めて保育園を経験して感じた、素朴な驚きをまとめてみた。通いだしてみれば、(そして入転園を立て続けに経験すれば)慣れていくことばかりだが、『保育園』というものは、申込みから準備、実際の通園まで、それまでの生活では意識しない独自のルールが数多くある。