保育園に入りたい!

海外帰り・無職から引越し・出産を経て、年度途中に2人の子供を保育園に入れた保活ノンフィクション

保育園に入りやすい区の絞り込み

前回記事で、私が保育園を探し始めたバックグラウンドを書いた。

 

幸か不幸か、私の場合、帰国直後で住むエリア・家から決めなければならない。

 

これまで幾度の引越しを行ってきたが、基本的に家探しは、学校や職場までの通勤時間、家賃、住環境、好きな街かどうか、といった観点で選んでいた。それが今回は、保育園の入り易さ、という全く新しい視点、しかも明確な情報がない状態で選ばなくてはならない。

 

1. ターゲット区の絞り込みまでにやったこと 

「親の会」は、働く親が有志で活動する団体である。自治体の公表する「待機児童数」は定義もバラバラであてにならない、と感じていたため、「新規で保育園に入園した児童数」÷「新規で入園を申請した児童数」によって決まる各自治体の「入園決定率」の考え方と公表数値は、各自治体を比較するうえで非常に参考になった。

 

また、会員のメーリングリスト上では、保育園にまつわる様々なテーマについて意見が交わされ、保育園入園後も、気になる情報について、生の声を得ることができる。

 

1980年代後半から親の会の活動に関わってこらた代表の普光院亜紀さんはフリーランスライターの方で、Presiden Woman Onlineなどでも保育園関連の情報を発信しており、よく参考にさせて頂いている。

 

  • 日経DUALの有料会員に入会し、保育園検索サービスを利用。

日経DUALは香港にいるときから購読しており、共働き世帯の情報収集に役立てていた。ただ、保活のためと思って有料会員になって試した保育園検索は、私は、あまり使いこなせなかった。

 

私の場合、まずは区の決定⇨エリアの決定⇨家の決定⇨近隣保育園の情報収集、という流れで保活を行ったので、初期段階で個別の保育園情報を集めることは却って混乱をもたらした。また、エリアや家が決まってからは、日経DUALの保育園検索よりは、自治体の発行する冊子を中心に周辺の保育園の情報収集を行った。ただ、「親の会」の100都市…の情報をベースに整理された自治体毎の保育園事情は、家のエリアを決めるにあたって一定の参考になった。

 

  • 友人、知人から、生の声を集める。

葛飾区、渋谷区、中央区、江東区、新宿区、杉並区、文京区、品川区、武蔵野市、横浜市に住んでいて、保活を経験した友人からの生の声を聞いた。また、未婚の妹や保育園には通わせていない友人にも頼んで、周りの保活経験者の話を聞かせてもらった。

生の声は本当に重要である。偏りはあるものの、インターネットでは探せない、リアルな情報を得ることができる。当然公となっている情報も重要だが、迷った時の自分の判断基準とすることができる。

 

様々な情報と夫の勤務地(私がどこで働くかはこの時点では決まっていない…)へのアクセスを元に、ターゲット区を3つに絞った。新宿区、千代田区、中央区である。

 

2. ターゲット区の情報収集

  • 物件見学

広域エリアを扱っている不動産会社に、ターゲット3区内の物件を紹介してもらった。

 

最初は区と家賃、最寄り駅までの距離を伝え、いくつか物件をピックアップしてもらった。しかし、これだけでは、何を判断基準にすればよいかわからない。当然、住環境が良い、子育てし易そうなエリアに住みたい、家賃は出来るだけ抑えたい、という気持ちはある。一方で、子育てし易いということは、保育園激戦区なのではないか、、と疑心暗鬼になってしまう。本来なら自分達が気にいる場所に住みたい!と思うのに、ここに住むことによって、保育園に入れなくなるかもしれない、という不安は、妊娠8か月無職での家探しと引越しにますます焦りを与えた。

 

  • 周辺の新築マンション情報を収集

 また、見学していた物件の窓から、建築中の高層マンションが見えた。不動産業者の方曰く、「あのマンションは半年後に完成予定で、1階に保育園が入るんですよ~」。

 

「近くに新設保育園!」と心が浮かれかけた。が、待てよ。。。高層マンションの戸数を聞くと、なんと1,000戸規模。ファミリー向け物件も多く、仮にその半数が子どもを一人持つ共働き世帯だとしても、併設される保育園の規模では、とてもその子ども数を吸収できるものではない。

 

大型タワーマンションの建設は周辺の保育園入園状況を一変させることに気付いた私は、SUUMOで、候補物件の周辺のマンション建設状況をチェックし、年内に完成する大型マンションがあるエリアは避けるか、気に入ったエリアでも改めて見直すことにした。

 

ちなみに、今回の家探しは、賃貸を前提にしている。将来もし、家を購入することになれば、その時は保育園ではなく、他の条件に頭を悩ますことができる状態になることを切に願う。

 

  • 区役所の保育課を訪問

区を絞ったからといって、その中でやみくもに探していてはダメだ!と痛感した私は、候補となる3区の保育園課を訪問することにした。保育課は、本来区民が、保育園の入園相談や申請をする場所である。が、私はまだ住所、そもそもその区に住むかどうかも決まっていない。しかし窓口に行けば、何か情報が得られるのではないか、と考えた。これが大当たりである。

 

まず、紙媒体で各区の保育園情報がまとまった冊子や地図をもらい、担当者の方から、区内の各エリアの入園状況について、〇保育園の最低ポイントは〇点といったレベルで、具体的にアドバイスを頂くことができた。また、3区とも実際に住んだことはなく土地勘がないため、地図を広げて窓口の方と話しをすることで、エリア毎の保育園事情、土地勘がかなり養われた。

 

区によって対応にかなり温度差があったことも発見である。待機児童数が少ないと謳っている千代田区は、そもそも保育園数が少なく、担当者の方もそっけなく、得られた情報は限定的であった。ただ、お金持ちの区だけあって、保育課横の子どもを遊ばせるスペースはミニ児童館かと思うほど充実しており、相談終了後も、同伴した長女はそのスペースで延々遊び倒していた。別の区役所を訪問した時は、夫に平日半休をとってもらい、こどもの面倒を見てもらっていた。2歳で動きたい盛りの子どもを連れての保活(区役所巡り)と引越しは、こどもをどう遊ばせ、誰が面倒を見るかが非常に重要であった。

 

私の場合、仕事が決まっておらず、最初から認可保育園を狙うのはほぼ絶望的であったため、認証保育園の数と定員数の充実度合と、認可保育園の競争率の低さ(=認証に流れてくる人が少ない)に着目していた。

 

窓口訪問の結果、一番情報が充実しており、区内の入園状況と入りやすいエリアを時間をかけて丁寧に教えて下さった新宿区にかなり心が傾いた。なお、私が窓口を訪問したのは4月上旬と保育課の仕事が一段落している時期であった。通常新年度の認可保育園の申請時期は11月~2月頃であり、この時期は窓口は混雑することが予想される。

 

以上の過程を経て、住まいの候補地を新宿区Aエリアと中央区Bエリアに絞り込み、改めてその中で物件探しを行うことにした。